結論から言うと、仕事にモチベーションは関係ありません。
なぜならモチベーションは「浮き沈みあるもの」「感情に左右されてしまうもの」なので、このような不安定なものを頼りに仕事をすることは危険だと言えるからです。
仕事で高いパフォーマンスを出している人たちは、やる気やモチベーションの有無に関わらず結果を出しキャリアアップしています。この人たちに共通しているのは、どんな時・状況でも仕事をこなせるテクニックを使っているからです。
この記事では、3つの会社を経験しキャリアアップしてきた私の経験をもとに、以下について詳しくまとめました。
できるだけわかりやすく、かつ実践できる方法を紹介しています。ぜひ最後までお読みください!
1|モチベーションの仕組みとは
モチベーション(motivation)とは、目的や目標の達成に向かって行動するための原動力となる意欲を意味する言葉です。ビジネスでは「やる気」「意欲」といった意味合いで使用されることが多いです。
モチベーションが上がると、未来に向けて頑張ろうという「向上心」が出てくるので行動的になります。副業や資格勉強、英会話、ダイエット、運動などの「未来のためにしておいた方が良いこと」に取り組んだ経験は誰しもがあるでしょう。
しかし、モチベーションは上げると必ず下がるようにできています。
人間のカラクリ上、自分を変えようとする力よりも現状維持させる力の方が強いので、
「結局三日坊主になってしまった」という現象が起きてしまいます。
- 熱が上がっても平熱にもどる
- ダイエットしてもリバウンドする
- 怪我をしても治る
- 英会話やダイエット、ゴルフが続かない
居心地の良い状態(コンフォートゾーン)を維持しようとする力(ホメオスタシス)が働くので、やる気が上がってもしばらくすると下がってしまう。これが三日坊主の正体というわけですね。
したがって、「モチベーションを上げて行動すると三日坊主で終わる可能性が高くなる」ということになります。
では、このモチベーションを頼りに仕事をしても良いのでしょうか。
次の章からは「仕事にモチベーションが関係ない理由」について説明していきます。
2|仕事にモチベーションが関係ない3つの理由
- モチベーションは浮き沈みあるものだから
- モチベーションは外的要因や体調に左右されてしまうから
- 仕事はモチベーションに関係なくすべきものだから
2-1|モチベーションは浮き沈みあるものだから
先ほども話したとおりモチベーションは上げると下がる「浮き沈みのあるもの」です。
浮き沈みあるものを頼りに仕事をすると、仕事の成果にばらつきが生まれるようになり「不安定な人」「信頼を置けない人」という評価をされる可能性があります。
特に、「モチベーションが下がっている時期>モチベーションが上がっている時期」の割合になっている人は、周囲からの評価が低い可能性があるので注意が必要です。
「モチベーションは上がったり下がったりするもの」という前提を頭に入れて、モチベーションに関係なく成果が出せるようなルーティンや習慣をつくる必要があります。
2-2|モチベーションは外的要因や体調・感情に左右されてしまうから
モチベーションは外的要因などに左右されやすく、モチベーションが下がると行動をやめてしまう可能性が出てきます。
具体的に、以下のようなモチベーションが下がる要因があります。
- 雨が降っている
- 頭が痛い
- 寝不足
- 喧嘩した
- 嫌なことがあった
- 前髪の調子が悪い など
このように外的要因や感情などに左右されてしまうモチベーションで仕事をすると、仕事に対する姿勢が不安定になり、キャリアも不安定になってしまいます。
したがって、外的要因などに左右されないビジネススキルが必要だと言えます。
2-3|仕事はモチベーションに関係なくすべきものだから
そもそも仕事はモチベーションの有無に関係なく、しなくてはいけないものです。
「今日はモチベーションが低いから顧客との商談はキャンセルにしよう」なんてできませんよね。
役職が上がれば上がるほど重要なタスクが増えていきます。そうなるとモチベーションに左右されている場合ではないので、今のうちにモチベーションに頼らないビジネススキルを身につけておく必要があります。
3|仕事をモチベーションに頼るデメリット5選
- モチベーションが上がっているときしか成果が出ない
- 感情で仕事をしてしまう
- 信頼されなくなる
- 自信をなくしてしまう
- 目標を見失ってしまう
3-1|モチベーションが上がっているときしか成果が出ない
モチベーションに頼って仕事をすると成果にばらつきが出てしまいます。
昇格やキャリアアップを考えたときに、「仕事に波がある人」と「安定して成果を出す人」であれば「安定して成果を出す人」の方が評価されるのは一目瞭然ですよね。
特に、キャリアアップを目指している人であれば「安定して成果を出せる人」になる必要があります。
したがって、モチベーションに頼らず安定して成果を出すビジネススキルを身につけましょう。
3-2|感情で仕事をしてしまう
モチベーションは感情に左右されやすく、嫌なことや悲しいことがあればモチベーションは下がってしまいます。
- 怪我をしてしまった
- 雨で濡れてしまった
- 体調が悪い
- 機嫌が悪い
- 友達や恋人と喧嘩をしてしまった など
モチベーションに頼る人は、「そのときの感情で仕事をする人」という評価を受ける可能性があります。
感情で仕事をする人はチームの雰囲気を壊す、いわゆるチームクラッシャーと呼ばれることもあるので、感情で仕事をすることはデメリットの1つと言えます。
3-3|信頼されなくなる
先ほども述べたとおり、仕事をモチベーションに頼る人は「成果に波がある」「感情で仕事をしてしまう」という特徴があるので周囲から信頼されなくなります。
信頼されなくなると以下のような状況に陥る可能性があります。
- 仕事を任せてもらえない
- 実績が作りづらい
- 昇級やキャリアアップがしづらくなる
とくに昇級やキャリアアップをする上で「信頼されること」はとても大事な要素なので、モチベーションに頼らないビジネススキルが必要と言えるでしょう。
3-4|自信をなくしてしまう
モチベーションに頼って仕事をすると成果や結果が出づらくなるので、自信をなくしてしまう可能性があります。
- モチベーションが高い時しか成果が出ない
- 感情で仕事をしてしまうので信頼されづらい
- 結果が出づらいので評価されにくい
このような状態になると自信をなくす悪循環に入ってしまうので、出世やキャリアアップからどんどん離れていってしまいます。
この悪循環に入らないためにも、モチベーションに頼らないビジネススキルが必要です。
3-5|目標を見失ってしまう
目標やゴールはモチベーションが上がっているときに設定する場合が多いです。
期初の会議などで目標を発表・コミットすることも多いと思いますが、このようにモチベーションが上がる場で目標を設定しても、モチベーションが下がったときに忘れてしまう可能性が高くなります。
会議から数週間経ったあとに「今期の目標なんだっけ」という経験、一度はありませんか?
目標を忘れてしまうと目標は達成できないので、結果も出ません。
私自身、目標が達成できない理由を深掘りしたときに、「モチベーションが下がったときに目標を見失っていた」ことがわかりました。そこから「そもそもモチベーションに頼るからこうなるのでは?」という仮説を立て、モチベーションに左右されない仕事術を身につける必要性に気づきました。
次の章からは具体的に、モチベーションに左右されない仕事術を7つ紹介していきたいと思います。
4|モチベーションに左右されない仕事術7選
4-1|ゴール・目標の設定
最優先ですべきことは「ゴール・目標を明確にし設定する」ことです。
- いつまでに達成するか
- 具体的にどのような結果を出すか
- どれくらいの数字の目標があるか
この目標を目に入るところに書いておく、または貼っておくことが重要です。
なぜなら目標は設定しても忘れてしまうので、忘れることを大前提に仕事する必要があります。
体調が悪くても、気分が乗らなくても、嫌なことがあっても「目標を見て意識する」ということが大事です。
目標を毎日意識するだけで行動が変わるので、結果も変わっていきます。
私の場合は「今期の目標」と「今月の目標」を付箋に書いてパソコンに貼り、業務開始時に読んで意識するようにしています。
4-2|仕事のルーティン化
私たちは自分のルーティンになっているものはモチベーションに関係なく行うことができます。
具体的に、以下のような業務を当たり前にこなしています。
- 決められた時間に出社する
- 会議に参加する
- 顧客と約束した時間に訪問する
- 何時までに納品する
仕事のパフォーマンスが高い人ほどモチベーションが高い低いを考えてもいなく、毎日の業務をルーティン化・習慣化して、自分の型に落とし込むことでパフォーマンスを維持しています。
面倒くさい業務や億劫になる業務ほどルーティン化し、当たり前にやれることを増やしていくことで、自分の仕事の型を作っていくことができるでしょう。
4-3|To Doリストの明確化
To Doリストを活用することでモチベーションに関係なく業務を進めることができます。
To Doリストを作る上で重要なことは、明確かつ詳細に書くことです。
- 9:15〜 新規事業の日程調整のメール(●●社の▲▲様)
- 9:30〜 見積書作成(◾️◾️社)
- 10:00〜 社内ミーティングのアジェンダ作成(来期の目標について)
やるべきことを明確にし、リスト化することで「迷う時間」「悩む時間」「考える時間」を削減し、仕事の効率を向上させることができます。
To Doリストは手帳やGoogleカレンダーなど、頻繁に確認する場所に書いておきましょう。
リストは前日の終業時や夜に作っておくことで、朝の業務開始からすぐに仕事に取りかかることができるのでおすすめです。
4-4|運動をする
業務に集中するためには、終日集中できる体力が必要です。
To Doリストを作ってもそれをこなす体力が残っていなければ「今日はいいや」と諦めてしまう可能性があります。
具体的に、運動は以下のようなメリットがあります。
- 筋肉をつけると姿勢が良くなり集中できる
- 一日中集中できる体力がつく
- メンタルが安定する
- 体力や筋肉がつくと自信にもつながり、仕事で成果が出やすくなる
やるべき仕事をこなすためにも運動はとてもおすすめなのでぜひ取り入れてみてください。
4-5|睡眠をしっかりとる
睡眠をしっかりとることで、一日のパフォーマンスを最大化することができます。逆にいえば十分な睡眠が取れていないとパフォーマンスは下がるので、成果も出ずらくなります。
東洋経済によると6時間以下の睡眠をつづけることは「毎日徹夜明けで仕事をしている」「お酒を飲みながら仕事をしている」のと同じくらい低いパフォーマンスで、日々仕事をしているということになるそうです。
「集中力」「注意力」「判断力」「記憶力」は仕事をする上でとても大事な能力なので、7時間前後の睡眠をしっかりとり、仕事の効率・質を上げるようにしましょう。
4-6|瞑想をする
一日のタスクを効率よくこなすには集中力がとても重要であり、高いパフォーマンスで仕事をしている人達は目の前のタスクに集中することがとても上手いです。
目の前のタスクに集中するためには集中力を高める必要があります。
そこでおすすめなのが瞑想です。
具体的に、瞑想には以下のようなメリットがあります。
- 集中力が高まる
- ストレスが軽減される
- 睡眠の質が向上する
- ポジティブになる など
瞑想をすることで目の前のタスクに集中しやすくなり、集中力も途切れたりにくくなります。
起業家や経営者は朝のルーティンに瞑想を取り入れている人も多いので、モチベーションに左右されないためにも毎朝5分の瞑想をルーティンに加えることをおすすめします。
4-7|習慣化する
どんな仕事、タスク、勉強も習慣化することができれば、安定して成果を出すことができます。
行動を習慣化できるとモチベーションは関係なくなり、やりたいこと・やるべきタスクをすんなりこなせるようになるでしょう。
以下に習慣化されたときの特徴を3つ紹介します。
- 行動が当たり前となり、やらないと気がすまない、落ち着かない気がする
- 意思の力を必要とせず、頑張らなくとも継続できる。
- やめたくてもやめられない
ロンドン大学のフィリッパラリー博士によると、習慣化には平均で66日かかるそうです。
行動が簡単であればあるほど習慣化に必要な期間は短く、複雑で負荷の大きな行動ほど必要な期間は長くなります。例えば、「昼食の時に水を飲む」という行動には約18日、「毎朝腹筋を50回する」という行動には254日必要というように、行動によって必要な期間の開きがあります。
先に紹介した6つの仕事術を習慣化できれば、モチベーションに頼らず安定した成果が出せるようになるので、ぜひ挑戦してみてください。
5|まとめ
今回紹介した7つの「モチベーションに左右されない仕事術」を実践し習慣化することができれば、周囲からモチベーションの高い人と見られるようになります。
しかし、自分にとっては「やるべきことを明確にしてただやってるだけ」なので、外的要因などに左右されることなく安定した成果が出せるようになるでしょう。
このブログでは、このようなキャリアにまつわる投稿をあげていくのでぜひチェックしてみてください。